2004年12月07日
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Test Firstからヒントを得たBody Firstという汎用行動原理とは何か?

Written By: 川俣 晶連絡先

 オータムマガジンの名前を、「Body First! オータムマガジン」に変更してみました。

 とはいえ、Body Firstと言っても何だか分からないでしょう。

 しかし、心配する必要はありません。たった今、私が作った用語ですから分からないのは当たり前です (汗

What's Body First? §

 ではBody Firstとは何か?

 これは、Test Firstという言葉から連想して作ったものです。

 Test Firstは、プログラミングの1つの手法です。

 その心は、プログラムを書く前にそれをテストするプログラムを書け、ということにあります。

 これはあまりに非常識と言えます。テストする対象もないのにテストを作れと言うのは、あまりに物事の素直な順番に逆らっています。

 そして、Body Firstは、その非常識さにヒントを得て作った用語です。

 その意味は「考えるよりも先に身体を動かせ」です。

なぜ考えることよりも身体を動かすことが先に来るのか §

 なぜ考えることよりも身体を動かすことが先に来るのか。

 それは、身体を動かすことが現実に存在する外部世界とのコミュニケーションになるからです。

 それに対して、考えることは自分の頭の中に構築された仮想モデルとの対話に過ぎません。

 どちらが、現実に存在する問題を解決するのにより有効か、これを比較すれば明らかでしょう。

 仮想モデルと対話するよりも、現実世界と対話する方が、より的確なリアクションを得られます。的確なリアクションは問題解決のための、より優れたヒントになります。

考えることを否定しているわけではない §

 そして、もう1つ重要なことは、Body Firstは、Body Onlyではないことです。

 つまり、考えるというプロセスを否定していないわけです。ただ、順番として、身体を動かすことの後に持ってきているだけの話です。

 その点で、何も考えないでその場のノリで身体を動かすだけの行動は、Body Firstとは言えません。

とりあえずのまとめ: より知的であるために身体を動かせ §

 時間もないので、とりあえずまとめましょう。

 Body Firstとは、知性よりも肉体を上位に据える方法論ではなく、より知的であろうとする試みであると言えます。

 それは、言い換えれば、脳内の仮想モデルだけで完結する知性よりも、外部との対話を常に持ち続ける知性の方が、より上位にあるという主張に立脚するものです。

 つまり、外部は常に変化し続け、しかも複雑であるが故に、それに対応するにはより的確かつ高度な知性が要求されるという仮定が背景にあると言えます。